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 ファミレスにて。 「小説……なんてありましたっけ? 学校新聞に」 「なんだ知らないのか。結構評判良いんだぞ」 「知りませんでしたよ。会長が小説書いてたなんて」 「そりゃ私だって人の子、羞恥が先に立ちつい言いそびれてな」 「はぁ……でなんでそれを山本と木村に書かせるんですか?」  会長は悪びれる様子もなく、 「いや張り切って伏線バンバン張ったはいいんだが、後のことを全く考えてなかった」 「……つまりは丸投げですね」 「いやそれだけじゃないぞ。2人でひとつの作品を完結させる最中お互いの愛に気付く、有り得ないことではなかろう」  誰もが困惑の表情で顔を見合わせる中、会長だけが優雅にパフェを食べ続ける。 「……で、会長。その小説ってどんな話なんですか?」  会長はスプーンを止めて、 「手に汗握る熱血野球小説だ」
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