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尋「さて、帰りますか。」
尋は鞄に教科書類をいれ、帰る支度をしていた。さっき話にいなかった残りの三人は、とっくに部活に行ったようだ。
気がつけば、日が傾きかけ、空は青から橙色に変わっていた。
尋(今日は、空がきれいだ。)
尋はヘッドホンを付け、自転車をこぎ、家に帰る。
帰りは長ーい坂を下っていくだけだからとても楽だが、行きは死ぬほどキツいらしい。
尋(風がきもちいな~。…ん?)
下っていると前に困っている同級生くらいの女の子がいた。
尋(声、かけるべきだよな?)
尋は一瞬戸惑ったがやはり声をかけることにした。
尋「大丈夫ですか?」
女「ひゃあっ!いきなり声かけないでよ!」
尋「いきなりじゃない声のかけかたってあるの?」
女「そ、それは…」
尋「…ま、いいや!それより、どうかしたんですか?」
ハハハっと笑って再度質問する。
女「それが、自転車のチェーンが外れちゃって…」
尋「あぁ、チェーンか。ちょっと待ってな。」
と言って尋はタウンページを…
尋「開かねーよ!?」
女「どうしたんですか!?」
尋「あ、いやこっちの話でさぁ。気にしないでくだせぇ。」
ちょこちょこっと作業してるうちにチェーンが戻り、ペダルをこげるようになった。
尋「これでオッケーだよ!」
尋は女の子に自転車を渡す。
女「すごーい!あの…ありがとうございました!」
尋「いえいえ。次は外れないようにしてくださいね!…では。」
尋は微笑みながら言って、自転車をこぎ始め帰っていった。
女「かっこいかったな~……あ!名前聞くの忘れた!でもステッカーに栄光学園って書いてあったな。今度会ったら名前聞かなきゃっ。」
そんな期待を胸に、彼女も家へと帰っていった。
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