一対の巨影

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とりあえず感謝は言わなくちゃね。 「ありがとうね、三人とも。ホントに感謝してる。」 そう言って僕はベッドに座りながらではあるが頭を下げた。 「いやいや~、見返りを期待してるからいいよ~。」 「ちょっ!?フレア、下心出てる!?」 「もっと私達を敬いなさい、誉めなさい、讃えなさい。」 「どうでもいいけど、何故そんなにジルは上から目線なの!?」 「……シン……このりんご……おいしい。」 「届いてない!?絶対ルゥに僕の感謝の気持ち届いてないよね!?」 対応は三者三様だけど……まぁ、感謝の意は伝わったと思う。 ルゥは……あれだ……えーっと……!そうそう!恥ずかしがっているんだ。 そう頭で自己完結させ、改めて防具をながめた。 リオレウスの鱗と金属が合わさった防具で、見た目と違い驚くほど軽い。 鱗も一枚一枚きちんと整えられており、素人目でも素晴らしいとわかる。 肩当てのとげもいいかんじに……って、あれ? 一本とげ折れてないか? 肩当て部分のとげのついた鱗が重なり合ったところに、ただ一本だが折れたものがあった。 多分、素材がないとかでしかたなくこの鱗を使ったとかかな?……まぁ気にしないからいいけど。
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