68人が本棚に入れています
本棚に追加
それは、いつもの喧嘩だった。
オイラと旦那の芸術観の相違から来る喧嘩。
両者が相手に認められようと必死の口論。
「アンタは本当の芸術ってもんを解っちゃいない!」
「その言葉、そっくりそのまま返してやる。
あんな爆発に芸術気取られてたらコッチが迷惑だ」
「ンだとコラァァ!!」
週に1度は必ず喧嘩する。
それにオイラも、恐らく旦那も慣れていた。
腹立たしいハズなのに、妙に楽しくて。
理由はわからない。けど
それはオイラの、確かな感覚
「お前のそれは芸術とは呼べない」
「オイラのは崇高な芸術だ!
人形遊びとはワケが違う・・・うん!」
「図画工作やってるお前に言われたくは無いな」
どれだけ酷く言われても、心のどこかで楽しいと感じていた。
それは今も同じ気持だった。
最初のコメントを投稿しよう!