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どこだ?
何処にいる?
何処で、何をしている?
そればかりが頭をよぎる。
本当に腹立たしい
元々短気ではあるが
アイツはオレの怒りを沸騰させる天才だ。
姿が見えれば直ぐに殺してやりたいところだ。
ふと、桜の木が目に入る。
それは美しく花を咲かせ
まるでオレに落ち着けとでも言うかのように凛々と、
だがそれすらも
今のオレには腹立たしい光景で。
そうだ
この木の上から見下ろせば
アホ面のバカを見つけられるのではないだろうか。
怒りにまかせて木の頂点を目指した。
…怒り、のはずだった
だがそれよりもオレは
アイツの姿を早く見たくて
早く…一刻も早く…――
上から辺りを見回してみた。
だが、デイダラらしき姿は何処にも無く。
空虚感
…くだらない。
本当に。
木を降り元の位置に着けば
オレは無意識に座り込んでいた。
アイツは
デイダラは今…何をしているのだろうか
オレを置いて
一体何処にいるのだろうか。
ここに来て
オレの前にまた、現れてくれるのだろうか…
戻ってきてくれるのだろうか…
このまま、また
あの時と同じように戻って来なかったら…?
それはもう二度と味わいたくは無かった感覚。
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