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神崎刹那はベッドから跳ね起きた。
息が荒い。
しばらく待ってから深呼吸して呼吸を整え、無意識に右手で頭を抱えて溜め息をつく。
「あー……うぜーな、クソ……」
またあの夢だ。
刹那は寝ぼけてぼんやりする頭を振って、もう一呼吸置いた。
カーテンが開けっ放しの窓から差し込む陽の光にまぶたをこすり、何の気無しに時計を見てみる。
時間は十時を回ったところだ。
今日は平日なので本当だったら歴史的大遅刻確定だが、今日の刹那はそんな事で跳ね起きた訳ではないので気にも留めなかった。
そもそも刹那の通う高校はこの前の連合議会軍とF.O.Gとの小競り合いで跡形も無く崩れ去ったので、多分しばらく休校だ。
下手したら永遠に。
緊急避難場所に指定されていただけに相当数の犠牲者がいて、未だに発見されていない人も多いらしい。
刹那も高校に避難していたら瓦礫に押しつぶされていたかも知れない。
そう考えれば運が良かった。
しかし、復旧作業は遅々として進まず、このままではいずれ転校しなけりゃならないのだろうか、とも思う。
巻き添えで倒壊するリスクはどこもそう変わりはしないだろうが。
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