苦い思い出

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遥奈が体育館で興奮しているなか、碇は屋上で遠くを眺めてため息をついていた。 碇が中学時代の最後の夏の全中を懸けて望んだ決勝戦の時だった。 『残り5秒で1ゴール差。フリースローを与えられた碇たちのチーム。フリースローを打つのは碇だった。「1本目は確実に入れて、2本目はわざと外してリバウンドを取りシュートを入れて逆転勝ち」それが碇の頭の中で作られたシナリオ。深呼吸をして碇が1本目を打った。しかしリングに当たり外れた。そして碇は次なるシナリオを作った。「次は外して3Pに懸けるしかない」そして2本目は適当に打った。しかし、そのボールはリングの中に入ってしまった。そして1点差で負けてしまい全中を逃してしまった…』 今でも碇は後悔している。何故あの時入れてしまったのかと…
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