1924人が本棚に入れています
本棚に追加
/573ページ
しばらく暗い空間を歩いた
紫「薫も大変よね……妙な事ばかり巻き込まれて…」
薫「……はい…」
紫「現実世界に戻るという手もあるわよ?」
薫「嫌です…現実世界には家族がいない…ここには家族がある……どちらが良いかなんて一目瞭然です…」
紫「そう……やっぱり愛するべきは家族……薫は大切な事を知っているわね」
薫「………でも僕…幽々子さんが妖夢さんを傷つけた時……幽々子さんが幽々子さんじゃない気がした……僕はあの幽々子さんが怖い……」
想像すると震えが止まらない
紫「……大丈夫よ」
紫さんが温かく僕を包んだ
紫「幽々子は薫に必死なの…あの子見かけによらず一途だから…怒りに捕らわれてしまったのね」
薫「………」
紫「怒りは我を失わせる、……でもまさか幽々子が取り乱すとは思わなかったわ……愛とは罪深きものね…」
薫「…でも僕は幽々子さんが大切な人だから…」
紫「そうね……それが家族よ、決して断ち切れない無敵の絆」
薫「……はい」
とその時
藍「ゆ、ゆ、紫様が薫様に…だ、だ、抱き付いて…!!」
藍さんが顔を真っ赤にして僕達を見ている
紫「あら藍、お迎えご苦労様、しばらく薫が私の家で暮らす事になったから把握しておいてね~」
藍「え?は、はい…じゃなくて幽々子様に叱られますよ!!」
紫「まだ薫は誰のものでもないわ、なら問題はなくて?」
藍「なんて略奪愛…」
紫「ふふ、そのとおりよ、愛とは罪深きもの」
薫「……だから違いますって…」
最初のコメントを投稿しよう!