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三章~八雲と西行寺~
紫「さっ、上がって上がって」
薫「…お邪魔します」
紫「ほらほら遠慮しないの」
紫さんが僕の背中を押してくる
そのまま居間に通された
紫「さて……ようやく落ち着いたわ…これからどうしたい?薫」
薫「……とりあえずこの傷をなんとかしないと…」
腕を見ると傷は包帯できつく巻かれている、しかし止血したとはいえ傷は開いたままなので血は止まっていない、まだズキズキと痛む
紫さんは僕の腕を見るなり驚き
紫「…なんでもっと早く言わないの…!」
身を乗り出しすぐに僕の腕をとる
紫「ちょっと待ってなさい」
薫「え…?紫さん?」
紫さんは片手をスキマに突っ込み何やら医療器具を取り出した
そして紫さんが僕の手に自分の手を添えた
その時何か青白く光った気がした
続いて手慣れた手つきで医療器具を扱い……
薫「ちょ、ちょっと紫さん!麻酔なしで縫うのは……」
紫「大丈夫よ、痛覚の境界を弄ったから今の薫は痛みを感じない」
薫「そんな事も出来るんですか…」
紫「そうよ、………………」
紫さんは傷口を器用に縫っていく、確かに痛みは全く感じない
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