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口をへの字に曲げ、ジタバタとする瑠璃。
「どこも痛くないよ! 助けて! お兄ちゃん!」
ポロッ
白い頬に流れ落ちる涙。
「怖いよぉ。助けて!」
瑠璃は懇願するが、僕は何もしてやる事が出来ない。
取りあえず、様子を見るしかないのだ。
「瑠璃? 落ち着いて。一人で怖いかもしれないけど、兄ちゃんは側にいるから安心して」
落ち着かせるために、出来るだけ優しい声で話しかけてやる。
チラッと横目で魔女を見ると、薄ら笑いを浮かべていた。
今の会話を聞いて?
薄気味悪い婆さんだな。
すると、口を挟む魔女。
「静かにおし。兄さんがいなくなるのは嫌だろう? なら大人しくしてな。分かったかい?」
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