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次の日から僕は、魔女に言われる通りに働き始めた。
朝起きてすぐ、朝食を作らされた。
勿論、初めて作ったのだ。
魔女は意外にも口を挟みながら、僕に食材を切る事から教えてくれた。
童話の世界の住人なのに、いやに詳しく手際がよい。
事細やかに手ほどきを受け、いつの間にか出来上がってしまった。
パンにスクランブルエッグ。そこにソーセージとほうれん草のバターソテーを、プラスする。
やれば出来るものなのだ。
三人分の食事をテーブルの上に置く。
一つは地下にいる瑠璃のだった。
一人きりでの食事になる。
口を付けないかもしれない。
すると、魔女は意外な言葉を口にする。
「お前はあの子と話しをしておやり。食事に手を付けたなら、戻っておいで」
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