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「醜いだろ?」
ゴクッ
魔女の言葉に息を呑む。
でこぼことした皮膚に、大きな鼻。
唇は紅く薄い。
一番目につくのは、左のまぶたに大きなこぶ。
その下にある筈の瞳は、隠れて僕からは見えない。
右の片目は青だが、うっすらと白く濁っていた。
「い……や……」
声を出す事が出来ない。
魔女の青い瞳が、僕を捕えて離してくれないのだ。
………………。
しばらくの沈黙の後、先に口を開いたのは魔女だった。
「まだ気付かないのかい?」
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