失われる日常

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「誰だっ!?」 円堂が体制を立て直し、声のする方へ叫ぶ。 カサッ…… 「そこかっ!!!」 草木が揺れる音に反応して円堂は走り出し近付く。 「待てえんど…っ!!!!」 円堂を止めようとした風丸の声が途中で途切れた。 「えっ…!?かっ…風丸!!!!」 振り返る円堂の視界に入ったのは、敵に捕らえられてしまった風丸と、風丸を捕らえている仮面を付けた敵。 「仲間を放置なんて…バカな忍だな…」 「っ…!!!んっ…!!!!」 風丸は捕らえられたと同時に口に布を突っ込まされ、口が塞がり呼吸をするのが困難なくらい無理矢理、そしてのどの奥へと突っ込まされた。 「お前…っ!!風丸を離せっ!!」 円堂は、敵に戦闘体制を見せ、片腕にクナイを構えていた。 「へっ…嫌だ…と言ったらどうなるんだろうな…」 鼻であざ笑う敵。 声しか聞こえないのに、初めての恐怖に震え出す寸前の円堂。 (何とかして、風丸を助けないと…)
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