失われる日常

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=風丸視点= 俺たちの頭上をクナイが飛んでいた。 「誰だっ!?」 円堂が、隣で体制を立て直し構えていた。俺も、体制を横で立て直して構えた。 ガサッ…… 突然、目の前の茂みから物音がした。俺はそこまで気にしなかったが、円堂がそこに向かって走り出していた。 俺は気づいた。それが敵の罠だったと…俺は呼び止めたが遅かった。 「待てえんど…」 「へぇ…君、やるね…」 いきなり俺の耳元で誰かが囁いた。クナイを構えたけど、それは遅かった。 いきなり口を手で塞がれ必死で暴れたが無駄な抵抗になった。 「暴れるな…!!」 「っ…!!!!」 アイツの一言で俺の身体が一気に硬直したのが分かった。金縛りをかけられたのか…? そしたら、俺の口を塞ぐ物が手から少し湿った布になりのどの奥位まで突っ込まれた。 すごい呼吸がしにくくて目の前がクラクラしてきた… だって…俺はいま、敵に命を握られてしまったから。
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