失われる日常

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風丸は、敵に捕らえられたまま刻々と時間が過ぎる。 気がつけば、円堂もひざを突き両腕で身体を掴んでいた。忍と言っても所詮は新米。恐怖を覚えるのが当然だ。 「…な……せ…」 「何だ…?」 震える声で必死に発した円堂の言葉。 「風丸を……離せぇ…!!!!」 敵に向かってただ、突進していく円堂。 「バカな餓鬼だ…」 敵は、風丸と共に近くにあった木に登り円堂の突進を避けた。 「風丸を…っはn「動くなと言ったはず」 敵の声のトーンが下がり、敵のクナイが円堂に向けられる。 が、実際は向けただけ… クナイの刃先は風丸の頬を裂いた。 「つっ……」 意識朦朧としている風丸は何が起きているか認識できず、ただ頬に痛みを感じただけ。 「叫びたいでしょうから外して上げますよ」 敵は、風丸の口から布を外して近くへ捨てた。 その瞬間… 「わあっ…!!!!」 「…風丸っ!!!!」
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