失われる日常

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=鬼道視点= 俺と豪炎寺は村長の命令で一足先に行った円堂と風丸の手伝いをして欲しいと頼まれたので森へ向かった。 森へ着くやいなや周りを見渡すと地面に誰かの血痕が付いていた。 「…この血痕…」 豪炎寺がひざを突き血痕を確かめる。 俺も豪炎寺と同様、血痕を手に取り確かめた。 俺は、人と違って人の血や唾液、身体の一部にふれると身柄が分かる能力を持っている。すぐに能力を使って調べた。 「この血……風丸だっ!!」 信じたくなかったが、それは風丸の血だと分かった。 「…っ!!じゃあ、まだこの辺にいるはずだ!!」 豪炎寺と俺で周りを見渡した。 そして見つけた。 風丸が木から落ちていて、円堂が必死で追いかけていた場面。 「行くぞ!!豪炎寺!!」 「おぅ!!」 シュッ……!! 間一髪で俺は風丸を受け止めたが、肩を斬られていた。 呼吸も乱れて何か毒薬でも飲まされてしまったのだろうか…手足が痙攣しているのがわずかだが分かった。
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