失われる日常

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=豪炎寺視点= 俺は一瞬自分の目を疑った。だって、風丸がボロボロになって円堂自身にも前のあの元気が見えない。 今の彼らには俺も目をそらしたかった。 「豪炎寺!!手伝ってくれ!!」 「分かった!!」 俺は切り替えて風丸の処置を始めた。相当深く斬られたのか…それとも、えぐられたように斬られたのか… とにかく出血が多い。一瞬塞ぐことが出来て精一杯だ。 でも、風丸の様子がおかしい。 何でこんなに痙攣してるのか。 「鬼道…この布…」 俺は一枚の少し湿った布が足元に落ちていたのを見つけ、鬼道に渡した。 「これ、毒薬が混ざってる…それに風丸がこれを口に含まされていたらしい…」 すべて謎が解けた。 風丸は、毒薬のせいで痙攣を起こしていた。 「円堂…早く木野を…!!」
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