ネコ

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俺の恋人はネコのようだと思う。 俺の部屋に来てもずっと寝ていて、たまに起きても場所を変えてまた寝てしまう。 日当が好きで、でも外は嫌い。 昼間が苦手で、でも夜が好き。 雷が嫌いで、でも雨が好き。 怠け者で、でもキレイ好き。 一人が好き、でも人肌も好き。 ほっとかれるのが嫌いで、構われるのが好き。 でも素直になれない。 いつ見てもネコのようだと思わされる。 これもツンデレって言うのか? あんまり長い間相手をしてあげないと、時々むこうからすりよってくる。 「…なぁ」 「ん?」 「最近、忙しいのか?」 「ん~…まぁね」 「ふーん、あっそ」 あいまいな返事を返すと、つまらなそうにまたそっぽを向く。 つまらないなら…構ってほしいなら素直にそう言えば良い。 と思いつつも、彼のプライドの高さは知ってるから何も言わない。 ホント、そういう意地を張るようなしぐさが可愛すぎて仕方がない。 だから先に行動を起こすのはいつも俺から。 そっぽを向いた彼の背中に抱きついて、冗談だと笑ってやる。 すると彼は顔を赤くして、それを見せまいと顔をそらす。 彼のあごを掴んで振り向かせ、黙ってキスをして、そのまま優しく押し倒す。 俺も彼もガマンのきかないたちだから、それだけで流れはすぐに決まる。 柔らかい彼の唇にキスをして、ほほ、首筋、胸にキスをしていく。 顔をそらして恥ずかしさに耐えている彼を上から見つめながら俺は、今度黒いネコの耳と尻尾を買ってこようか、などと思う。 きっと似合うであろうその姿を想像しながら、俺は今夜も彼を抱く。 月明かりに照らされて淡く輝く、ネコのようにしなやかな彼を…。 END.
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