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「実はだね、『閃光の戦乙女』君。うちの情報管理部のエージェントが、『女神の接吻』の情報を掴んだらしい」
「!!?」
場が凍りつく。少女は驚きを隠しきれず今度は男を凝視する。
「しかも、情報の出どころが《バルトニア》帝国からという……全く頭の痛いことだ」
(バルトニアが…)
《バルトニア帝国》
フリードリッヒ皇帝が統治する隣国
軍事力を背景に経済力の優れた大国。
ただし、それは表向きの話で裏では色々『きな臭い』噂がたち、あまり好意的な国ではない
「詳細はこうだ。今から5日前、我が《ソラニヒト》領内から通行証を持たずに国境を越えようとした男を発見し、不審に思った国境警備兵が確保。その後取り調べの結果、男は隣国の隠密と判明したためこの王都に護送。そしてうちの情報管理部の優秀なエージェント達の2日間にも渡る『おもてなし』を受け、快く話してくれたのが今朝だった…」
そこまでの経過を聞き初めて少女は気づく
(睡眠を採られておられない……これは迂闊な返答はできないな)
首が飛ぶことは無かろうが、このまま永遠『優秀なエージェント』と『立派な隣国』の話では堪らない
「なるほど。つまり『女神の接吻』という存在を信じ、なおかつ利用しようと考えている訳ですね…バルトニア、いやフリードリッヒ皇帝は」
長くなりそうな『有難いお話』に相の手を入れながら、本筋へ軌道修正
「…そうだ。恐らく不老不死に興味を持たれておられるのだろうな、フリードリッヒ公は……私は個人的には興味ないがね」
話を遮られる形となりやや不機嫌気味に話す男
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