ご臨終

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「は?現世って…生き返んの?」 「残念ながら元のあなたに戻れるわけではありません、なにしろあなたの肉体はもうすでに無くなってしまっている」 そっか…燃えちゃったんだ 「じゃ何に生まれ変わるの?」 「別の人間として生まれ変わって頂きます」 「別の人間って…それあれ?もしかしてテレビとかでみる他人に乗り移っちゃうとかそういう系?」 「いえいえ、他の方には他の方の宿命がございますので」 「わけわかんね」 考えるのがしんどくなってきた 「ふふ、そう深く考えずに簡単に…ちなみに生まれ変わるとしたらいくつくらいがよろしいですか?」 「え?なに歳決めれるの?」 「はい」 「マジで!?そりゃいい」 俺は自分の20数年間の人生で一番楽しかった頃を思い浮かべていた 「んーじゃあ!16」 「かしこまりました」 そう言うとツバメおやじは一仕事終えたような表情でにっこり笑った もちろん全裸でさ 「では、わたくしは一度失礼して」 「ぶえっくし!!」 まーたゴキゲンなくしゃみをしやがった と思った瞬間 くしゃみの音とともに彼は消えてしまった もしかして、くしゃみで移動するの? なんともふざけた技だな あーあ 唯一の話し相手が消え 再び孤独になった俺は 寝そべりながら 暮れゆく空に身を任せていた
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