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メガネ少年は
おどおど私の方を見ると
今度は目を丸くし、
驚いたようにじーっと私を見る。
見つめられている私は動けない。
「…何?」
「え!?あ!すいません!」
私が不機嫌さ満点で少年を睨むと少年は焦ったように謝ってくる。
そして再びおどおどしながら
私に聞いてきた。
「何か…御用ですか?」
「あ、そうだった。
あのさ、校長室って何処か
教えてくんない?」
「校長室ですか?」
少年はきょとんとしながら
私の方を見て、
すぐににっこり笑顔になって
私に答える。
「僕も校長室に
行くところなんです。
一緒に行きましょう」
「ホント!?ありがと~!
助かる!」
少年の言葉に私は笑みを見せる。
そしてこちらですという
少年の横につき、
少年の前を遮っている
沢山の青いファイル達を
半分くらい少年から奪う。
「え?あ、大丈夫ですよ!」
「いいからいいから。
アンタ見るからに
おっちょこちょいじゃん。
途中でこけられでもしたら
こっちが困るの」
「…すいません。お願いします」
私が片手で
資料を持ちながら言うと
少年は申し訳なさそうに
視線を下に向けながら謝ってくる。
そんな少年を見て私は
「よろしい」と言って
分厚いファイルを抱え込んだ。
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