学校へGO!

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あの後、私は無事職員室に 辿り着くことができた。 先生が丁度職員室を 出ようとしていたところで グッドタイミング。 声をかけたら すぐに分かってくれた。 本田先生。 私の担任の先生になる人だ。 校長の言ったとおり 眼鏡のおっちゃんだった。 そしてそれプラス 可愛らしいメタボちゃん。 頭はハゲてバーコード状態。 ご愁傷様です、と言いたくなる。 「女の子は一人だけだけど、 頑張ってね」 それでも、 いい人には変わりなさそうだ。 私は作り笑顔で 「ありがとうございます」 といった。 一応ここは女らしさを アピールしておかねば ならないだろう。 しょっぱなからどこぞの ヤンキーみたいな当たりじゃ 多分私は引かれる。 私はあくまでも女らしさを装った。 …女でいるのって …疲れる。 職員室から教室までは さほど遠くなかった。 廊下を直進だけで済んだ。 荒れた教室。 中を見なくてもわかる。 教室の扉の所に『喧嘩上等』とか『夜露死苦』とか そりゃもういろいろ書かれている。 なにをよろしくしたいんだ、 中の奴らは。 …つか、ここで生活してんのか?委員長は… 先生が扉を開けて中に入る。 扉を開けた瞬間中から 凄い量の声が飛んできた。 うるせぇよお前らは蝉かって 聞きたくなるくらいうるさい。 先生の話なんか 聞いちゃいないんだろうな。 先生もビクビクしたまま 話しているし。 「今日は転校生がいます!」 しかし、その担任の声だけは 教室に響いた。 その声が聞こえたとともに 静まり返る教室。 そしてわぁぁぁっ!と 凄い歓声が湧き上がった。 各々で声を上げていて 逆にうるさくなっている。 私が教室の壁の所ではぁと ため息をつきながら腕を組み 寄りかかっていると 中のほうで先生が 私に手招きしていた。 叫ぼうよ、先生。 私はそんな風に ぐちぐち思っていたけれど、 まぁいいかと立ち上がって 荒れた教室に一歩踏み行った。 、
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