学校へGO!

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私が入った瞬間 教室が再び沈黙を取り戻した。 全員が私のほうを見ている。 …ホント男だらけだ。 むっさ、気持ち悪っ! そんな事を心では思いつつ、 私は平然と教壇に立った。 ざっと教室を見渡した時、 一の側の一番前の席に 委員長を見つけた。 委員長は私の格好に びっくりしていたけど、 すぐににっこりと 微笑んでくれたから 私も返す様に微笑んだ。 「それでは野々村さん、自己紹介を」 静まり返った教室では さっきのように担任の声が かき消されることもない。 担任の言葉は しっかり私に伝わり、 私は自己紹介をする。 「…野々村悠希。 ついこの間まで イタリアに住んでいました。 でも中身は純粋な日本人です。 よろしく」 私は端的に淡々と 自己紹介を述べた。 だって他に言う事ないんだもん。 私がイタリアと言った瞬間、 教室にざわめきが起こる。 そんなに珍しいのか…? 「はいはーい! 名前を黒板に 書いてくれませんかー?」 その時、後ろの方の男子が 盛大に立ち上がりながら手を挙げ私に言った。 名前を黒板に…? そんなの必要あるのか? しかし、断る理由もない。 私はしぶしぶ男子達に背を向けて黒板に向かった。 さっき、男子達が異様に にやにやしていたように 見えた事はあえてスルーしておこう。 私は腕を精一杯伸ばしながら 上から野々村と名を書いていった。 そして悠希の 悠の字に突入した時、 背後から異様な雰囲気を感じた。 何が起こるかはもう分かっている。 こいつ等はやはり まだ青いガキだから。 ───プロの殺し屋に 殺気垂れ流しのまま攻撃したって無駄なんだっつーの。 、
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