学校へGO!

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5時間目と6時間目の 授業が終わるのにかかる時間は 多いようであっという間だった。 現在は放課後。 周りのヤンキー共が 全員校舎裏に行き、 教室には私一人。 委員長は私の方に 駆け寄ろうとしたが 近くにいた男子に 引っ張られていってしまったらしい。 しかし、ヤンキー達と 正反対な性格の委員長が 慣れ合っている姿って… …なんか、 世紀末が起こりそうだったな。 私は鞄に荷物を積め、 椅子から立ち上がる。 そして鞄を持った手を 肩にかけながら下駄箱に向かい、校舎裏に向かった。 この学校は高い塀で 学校自体を囲っており、 その囲いの端にある校舎の裏は 人目の付かない視覚になっている。 要するに リンチしやすい所ってことだ。 太陽が当たらず日陰になっていて苔や色の濃い雑草が生えている 手入れの行き届いていない場所。 私が 校舎を回り込み校舎裏に出ると、そんな陰気な場所に 見覚えのあるヤンキー達の顔が ズラーッと並んでいた。 校舎裏は何気に広くてびっくり。 これだったら暴れても 大丈夫そうだ。 「来たか」 竜牙が全員の前に立ち、 腕を組みながら私に言った。 「よく逃げずに来たな」 「誰が逃げるかっつーの」 私は竜牙の言葉にムカッときて、力いっぱい叫びながら 横の芝生のほうに鞄を投げ捨てた。 竜牙はフッと 鼻で笑いながら私を見下し、 腕組をしたまま私に言った。 「さ、俺らの中から ケンカする奴を選びな」 ………へ? 「なんだ、 リンチじゃなかったんだ」 「…はぁ!?」 あ、やべ。 つい言葉に出しちゃった。 私の言葉が気に入らなかったのか竜牙はムスッと表情を変えた。 「さすがにリンチはしないよ~。 僕らにもプライドってモンが あるからねぇ」 竜牙の左後ろ側にいた リズリムに似ている光が 苦笑いをしながら私に言う。 プライド。 そんなもんがお前らにあるのか。 背後からボール ぶつけようとしたくせに…。 、
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