学校へGO!

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「本当に、 本当に後悔しないな?」 「しないって言ってんだろ。 さっさと終わらようよ。 早く帰って休みたい」 私は竜牙と向き合い、 クラス全員が見守る中で ケンカを始めようとしていた。 相手はクラス… いや学校1強い 斉藤竜牙(サイトウリュウガ)。 なんでも、 ドッカの族の総長らしい。 よくわかんないけど。 「言っとくが、 手加減はしないぜ?チビ」 「チビって言うなッ! 当り前だっつの。 手加減なんかされたら、 アンタを殺しちゃう」 私の言葉が不服だったのか、 周りの奴らから抗議の声が上がる。 うるさいっつの、お前らは蝉か。 「それじゃ、始めようか」 そう言葉を口にした瞬間、 竜牙は態勢を低くして スピードをあげて 私に殴りかかってきた。 さすがと言うべきか 意外と言うべきか。 しかし、 いつも死と隣り合わせの 私のスピードに比べれば。 私はどちらかというと 力よりスピードで 生き抜いているから、 素早さには少しばかり自信がある。 私は右ストレートを 決めようとした竜牙の手を避けてふらりと左に交わす。 私がよけることを 予測していたのか、 今度は右足で私の体を狙う。 しかし、スピードが遅い。体を低くしてしゃがみ、 それをよけた。 竜牙は左足で 回し蹴りをしながら 私を蹴ろうとするが 私は再びそれを 左にふらりとよけた。 そんな事を何回も何回も繰り返し いい加減飽きてきた私は 地面を思いっきり蹴って 竜牙から距離をとった。 竜牙の息は少し荒くなっていて 肩も上下していた。 「なんだ…アイツ…」 「すげぇ… 竜牙さんの攻撃が 一つも当たってない…」 周りの奴らが唖然とした声を あげるがそんな声は今の私には 届かない。 さすが総長。 当たりはしなかったけど 多分集中してよけていなかったら当たっていただろう。 、
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