学校へGO!

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微かだが、 私の背後から殺気を感じた。 禍々しい黒い殺気。 私はバッと後ろを振り返った。 「いっ…いてぇッ!」 私が振り返ったのと 叫び声が聞こえたのは ほぼ同時だろう。 私の視線の先にいたのは 私がボールを当てた男子と竜牙。 竜牙は男子の手首を捻りあげ、 男子は痛がっている。 男子の足もとに落ちているのは 小さなサバイバルナイフ。 憶測だが、 多分私を刺そうとした男子を 竜牙が止めてくれたんだろう。 「お前には、 プライドってモンがねぇのか。 ケンカ相手が憎いからって言って刃物使ったら それはこっちの負けと同じだって教えただろ」 「ひっ…!すいません…!」 竜牙は掴んでいた男子の手を離す。 それとともに男子は 手首を抑えながら崩れ落ちた。 「悪かったな。さぁ、続きを…」 「なんだ…いいトコあるじゃん」 「は?」 私は未だに 手首を押さえている男子を見下しにっこり笑顔を竜牙に向けた。 「助けてくれて、ありがとうな」 私の口から出た その言葉に驚いたのか、 竜牙はそのまま固まって 目を見開く。 そして照れくさそうに 頭を掻きながら私と視線をずらし 「下の者がやった事は 上が改めるもんだろ。 感謝される事なんかしてねぇよ」 と言った。 「それよりさっさと続きを…」 「ちょっと待ってください!」 竜牙が言いかけた言葉を 委員長が遮った。 両手でこぶしを作り 握りしめながら 精一杯の声で叫んでいた。 しかし、 どこかの青春ドラマみたいに 委員長が苛められるわけでもなく クラスメート達は 委員長に顔を向けた。 委員長は竜牙に視線を向けたまま。 、
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