学寮

5/9
前へ
/481ページ
次へ
リビング (と思われる白で統一された部屋) のソファーで こちらを見ながら 石になっている竜牙。 そしてリズリム似の 光に眼鏡少年の愁哉。 そして眠り王子の蘭。 全員目が点でございます。 いやいや、点なのこっちだから。 「なんで…アンタらがいるのさ」 「それ、こっちのセリフだから」 私の心からの言葉に竜牙が こちらを驚き見つめながら 返してくる。 「ここは…俺らの部屋…だよ?」 光がカクンと首をかしげる。 ………はい? 「でも私、ここが部屋だって…」 「…あの部屋じゃない?」 眠り王子(さっきまで寝てた)が 指差す先には何も書かれていない真っ白なドアが。 よく見るとこの部屋、 正方形のリビングの周りに 5つも白いドアがある。 ド真ん中にソファーとテレビ、 玄関と反対方向にキッチン。 決して大きいとは言えないが、 整っている、シンプルなリビング。 「あぁ…今朝荷物が 運び込まれていましたもんね」 愁哉が眼鏡を中指であげながら 秀才君ポーズ。 きまってる。 「ここって… ルームシェアなんだ?」 「そうですよ」 あぁ、やっと理解できた。 だからコイツらは この部屋にいるのか。 私は、そこに突っ立っているのもなんなので、一応その部屋に 行くことにした。 ドアを開けるとともに 鼻に止まったのは 埃っぽいような部屋の香り。 そして前に積まれた私のバッグ達。 まぁ… これが引っ越し的な ものなんだろうな…。 私は部屋の片付けを後回しにしてバッグの中から 黒白チェックのワンピースと その下に着る 白いTシャツを引っ張り出し、 男子制服を脱ぎ捨て髪を梳かして下しそれを着た。 、
/481ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11883人が本棚に入れています
本棚に追加