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ピーンポーン。
おなじみのインターホン音が
部屋に響く。
誰だろうか。こんな遅くに。
「どちら様ですか?」
愁哉が立ち上がり、
玄関に向かって叫ぶと
「僕だよー」
とボクボク詐欺の声が返ってきた。
…冗談だよ。
校長先生様でございます。
愁哉がカギを開け
校長がスーツ姿のまま
私に飛び込んできた。
「悠希ちゃーんッ!」
まっすぐに飛び込んでくる校長。
もちろん私はよける。
そのまま受け止めるとでも
思ったのか。
案の定そのまま校長は私の前を
弾丸のように通り抜け
ソファーに顔面を強打。
たとえソファーでも顔面は
痛いだろうなぁ…(他人事)
「ひ…酷いよ悠希ちゃん…」
「ざけんな、
受け止めるとでも思ったのか」
「僕の愛なのに~」
「重い」
「酷い!」
ソファーに強打して
赤くなった鼻を抑え、
涙目になりながら私に
駄々をこねる姿はまさに子供だ。
貴様いくつだコノヤロウ。
「っていうか、何の用なのさ」
私の言葉にショックを受けて
竜牙に泣きついている
校長に問いかけると
校長は頭の豆電球を光らせる。
忘れてたのかよ。
「そうだった。
出来上がったんだよ、制服が。
ホラ」
校長は背中から
白い紙袋を取り出して
私に手渡してくる。
どこから出したんだ、それは。
カサッと音をたてて
中を見るとそこには
「…おぉ」
私のマフィアスーツと
同じデザインの女子制服が。
あえて違うところを
指摘するならば、
胸ポケットのクロドの紋章が
校章に変わっている事位だろう。
なかなかの出来だ。
、
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