学寮

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「どう? 結構上手くできたと思わない?」 「うん、凄くいいと思う」 「良かった、じゃあ明日からは それを着て行ってね」 校長はじゃあまたね~と にこにこ笑顔で手を振り 部屋を去って行った。 嵐の後の静けさ、 と言うべきなのか。 ハイテンション校長が いなくなった後の部屋は それそのもので誰一人として しゃべる者がいない。 「…嵐が去りましたね」 「去ったねぇ」 「去ったな…」 「………」 無言はやめようか、蘭さん。 校長が去った後、 ヤンキー四人組は (若干一命を除いて)ため息をつく。 「つくづく思うが、 あの人のテンションには ついていけない」 竜牙の意見はごもっともだ。 私はうんうんと首を縦に振る。 しかし、 私はこんな変な(いろんな意味で)危ない学校と個性豊かヤンキー達と暮らすのだろうか。 不安しか 背中に乗っかってこないんだが。 ボスはなんて事を してくれたんだろう。 私はもんもんと頭を回しながら そのまま部屋に戻り、 後回しにしていた荷物を片付け お風呂に入り、 ベッドにダイブした。 疲れがたまっていたんだろう。 5秒としないうちに眠りにつけた。 「…にしても、 あの女どこのモンなんだろうな」 悠希が 眠りについた後のリビングで 竜牙が口にした言葉は、 そこにいる者全員が思っている事。 黒龍は日本でも ナンバー10入りする位強い族。 ヤクザさんの 後ろ盾もある族だからだ。 そのトップに値する竜牙は 日本でも負けなしと言われるほど強い。 しかしその竜牙が負けたとなるとそれは相当のものなのだ。 「ちょっと興味がありますね、 調べておきましょうか?」 「頼めるか?」 「もちろんですよ」 「だったら俺も手伝うよぉ」 竜牙の言葉を聞くた愁哉と光は さっきまであった笑顔を ニヤリと妖しい笑みに変えた。 眠そうに眼をこすっていた蘭でさえ、笑みを浮かべている。 「正体を暴いてやる」とばかりに全員が笑みを溢していた事など 悠希は知る由もなかった。 、
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