訪問者

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次の日、竜牙達と一緒に クラスへ行ってみると 昨日あんなに敵意を 表していた奴らが 昨日の事なんてなかったように 馴れ馴れしく声をかけてきた。 「よぉ、悠希!」とか 「本当に女だったのか~」とか 「その服あんま似合ってねぇな」なんて失礼な言葉を 笑いながら言ってくる奴もいた。 失敬な。 これがいつもの服装だぞチクショウ。 不服には思ったが昨日みたいに 歓迎されないよりはマシだろう。 私は素直に歓迎を受けた。 クラスメイトのヤンキー達とも 仲良くやりながら 数日…数週間過ぎた時だろうか。 思わぬ訪問者が来たのは。 今日は学校が日曜日で休み。 寮のリビング5人全員が ぐうたら過ごしていた。 竜牙と蘭はソファーで昼寝、 愁哉は読書、 光はケーキのい馬鹿食い。 ぐうたら…個性豊かの間違いか。 私はそんな光景を見ながら テーブルにある紅茶を ひとすすりする。 しかし、こんなに 平和に過ごすのは久しぶりだ。 いつもは仕事仕事… 書類整理を含めて それしかなかったし。 まぁその生活に 満足していたんだけどさ。 でも…なんか物足りない…。 ピーンポーン 私の心情を遮るように インターホンが鳴った。 誰だろう。 今はお昼後の1時。 外は太陽がさんさんと輝く晴天。 訪ねてくるなんて言ったら多分 同じクラスの誰かだろうし… 「はーい」 周りを見渡しても誰一人として 動こうとする奴がいなかったため私は仕方なく体を起こして 玄関に向かった。 「どちら様ですか…」 私がドアの鍵を開けて ガチャリとドアを開けた瞬間。 「ゴフッ!」 何かが思いっきり 私に突っ込んできた。 、
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