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ガンガシャンバタンドサ。
ガンで突っ込まれた私が
後ろの壁と棚に倒れ、
ガシャンでその上の花瓶が倒れ、
バタンでその上の壁画が落ち、
ドサで私が地面にずり落ちた。
…玄関が悲惨だ。
「どうした~、悠希」
その音がリビングにも
聞こえたのだろう。
あの眠り王子の蘭でさえ
様子を見に玄関の廊下から
顔を出している。
私はいてて…と後ろの壁に
思いっきり当てた頭をさすりながらドアのほうに目を向ける。
いったい誰が
突っ込んできやがったんだ、と。
しかしそこに見えたのは
クラスのヤンキーではなく
「「姫~!」」
可愛い顔をしているくせして
危険な、血にまみれた双子。
そしてメガネで綺麗な私の相棒。
いつも通りのマフィアスーツで
颯爽(さっそう)と現れた
リズ&リムと、クレサ。
「久しぶり、悠希」
いやいや久しぶりじゃないでしょ。まだ一ヶ月も経ってはいませんよ。
なんでこんな早く
私の所に来るのかね。
「…とりあえず、上がって」
この状態で挨拶をするのも
話を聞くのもどうかと思うし。
リズとリムが私の上に
乗っかっているこの状態で。
私がそう言うとクレサは
「そうさせてもらうわ」
とにっこり微笑んで
リズリムの頭をペシリと叩き、
私の救出をしてくれた。
リズとリムはにこにこにこにこ
上機嫌で私の両腕に
しがみ付きながら立ち上がる。
その状態でリズリムが立ったら
私も立ち上がることになるのは
自然な成り行きで。
私はいろいろと頭を抱えながら
とりあえずリビングに向かった。
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