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玄関が物凄い破壊模様だけど、
それはあえての放置。
「へぇ~結構綺麗なところね」
リビングを一回り見たクレサは
その天使のような微笑みのまま。
今はいろいろ悪魔の笑顔に
見えますよ。
物足りなかったのは確かだけど、平和なのんびりした気分に浸ってたのに…。
「学校生活には慣れた?」
「いろいろと
メンバーに問題があるけど、
楽しくやってるよ」
「おいコラそれはどういう事だ」
玄関の方に顔を出していた竜牙の言葉に加えて光が「酷いよ~」と私に突っ込む。
そのまんまの意味だって。
リビング入り口付近で
屯(たむろ)っている
いかにも悪さをしそうな
4人組集団を見てクレサが首を傾げたのに気付き
私はいやいやながら
両腕は使えないので、
首で4人を見て紹介をする。
「えぇっと…クラスメート兼
ルームメイトの斉藤竜牙…
とその愉快な仲間達」
「いやいや、
ちゃんと紹介しましょうか」
「俺ら…愉快な仲間達…?」
「まとめないでよ~!」
「あ、ごめんごめん間違えた。
個性豊かな仲間達だった」
「あんま変わってなーい!」
…光の講義が聞こえたけど、
この際無視だ無視。
今はいろんな事が一気に起こって頭が回らないんだ。
「なんと、かの有名な
黒龍の幹部の皆さんです」
「「「…え」」」
私の口から黒龍という言葉が出た途端、リズ&リムと
クレサの顔から表情が消えた。
ぽかんと口を開けて
4人を見ている。
クレサ達のその反応に
もうひとつ付け加えで。
「ついでに、そこの総長さんに
私はケンカ売ってしまいまして」
「…ありゃりゃ」
「やっちゃったね、姫」
竜牙の方を横目で見ながら言った言葉に他人事のように言ったリズとリム。
クレサは頭を押さえながら
ため息をついている。
ため息をつきたいのは
こっちだっての。
、
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