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「え?」
「その服、血まみれだ」
「へ?…あぁ。」
ボスの指さす先には私の服。
仕事の時に着る服だ。
真っ白いブラウス、
赤チェックのネクタイと
赤チェックのスカート。
そして胸にクロドの紋章でもある
Sの形をしている蛇に
薔薇が巻きついている絵の
刺繍が施されている
黒のブレザーをはおっている。
まぁいわゆるマフィアスーツ?
いろいろ着崩してるけどね。
キッチリしてるなんて堅苦しいし。
私の身なり…は、
ゆるんだネクタイに
第一ボタンを外してるブラウス、
前のボタンなんて
一個も留めていないブレザー。
に、赤黒く変色した血が
しみこんでいる。
ブシャーって感じで
飛び散ってるから
きっと顔とかにも
ついてるんだろう。
血独特のにおいが鼻を突く。
まぁ…悲惨なんだろうな。
「返り血浴びてたんだ…。
ごめんなさい、
着替えてから来ればよかった。」
「いや…別に構わんよ。」
そう言いつつ、
ボスは少し悲しそうな
表情をする。
この人は私の事を
本当の娘のように扱う。
ボスの右腕と呼ばれる位だし
一番近い存在だから
なんだろうけど、
それ以上にこの人に
奥方や子孫がいないせいだ。
マフィアのボスだから、と
一般の人を巻き込まない為に
妻子共々つくらないつもりらしい。
確かに、
マフィアのボスに妻子がいる場合、
下級マフィアはボスの身内を
狙う事が多い。
だから、人一倍お人よしな
このボスは妻子を作ろうと
しないのだ。
でも子供好きで、
身近にいる私やリズ・リムを
娘息子のように可愛がる。
故に、私が人を殺すのに
良い気をしていないらしい。
マフィアだし、右腕なんだから
人を殺すのは当たり前なのだ。
もともと私の仕事は
主に『片付け役』だしね。
それにね?
悪い人を殺すのって、
本当に気持ちがいいんだよ?
、
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