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「大丈夫だよ、旦那」
がっくりとうなだれた俺の頭を、佐助が「よしよし」と小さな手で撫でる。
「俺様、おっきかった時のこと、ちゃーんと覚えてるよ」
「ま、真か!」
「うん!でもねー」
そういうと佐助は「えへー」とだらし無く笑う。
「そのまんまおっきくなんないで、ちっちゃくなっちゃった!あはははは」
「いやー不思議な事もあるもんだねぇ」とでも言い出しそうだな‥‥などと考えていたら、無性に腹が立ってきた。
「ぅお主はぁああ!」
勢いに任せて彼の脇に手を差し込み、高々と掲げる。そう、世間一般に言う「高い高い」である。
「うきゃーっ!」
両手両足をじたばたとさせて楽しそうに笑う佐助に、まぁこれも悪くない、等と思ってしまった。
この時は、彼が小さくなってしまった事でどうなるかなど、知る由も無かったのだから
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