2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「あのぉ~、湊様?」声が聞こえるのは確かだろう。だが、それが誰の物であったかはわからなかった。ただし、それはあくまでも睡眠をとる現段階での話だが。
「あのぉ~」そろそろうっとおしくなってきたので、湊は寝返りを打つようにして睨むようにして、その声の主を見る。しかし、声の主は怯む様子もなく揺さぶりをかけてくる。
「何用じゃ・・・吾はまだ眠いのだが・・・」湊は先ほどの自分の行動がこの目の前に佇む相手には全く効かないという事を悟り、別手段によっての抵抗を考える。
「うぅ~、起きてくださらないと困ります。おねがいしますぅ~」湊は仕方無いと考えて名残惜しそうにベットを後にする。
「仕方が無いから、起きてやるが・・・わかっておるな?」湊は先ほどからずっとその場にいる相手である女性・・・見た目としては相当幼い感じの人物であるが、それはある意味での美しさである。それを湊本人がこの女性に言うのは、付け上がるからという理由で伝えていないが・・・に尋ねる。
「は・・はい、わかっていますぅ~よぉ~、どうせ・・あれですよね?」女性も仕方なしにといった感じで返事をする。
「ならばよい・・それでは、参るかのぅ・・行くぞ霜(しも)」湊はそのまま体を奮起させながら部屋を後にした。後ろに霜を引き連れながら。
最初のコメントを投稿しよう!