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なんか知らんが妙に頼れる男っぽさを醸し出しるクロードに言われるがまま、スマホを満川に渡す。一瞬『私?』と首をかしげるが、そのまま耳に当てた。
「もしもし?」
『────』
「あぁパトロンって言われたから誰かと思ったけど、君が例のクロード・ツェルベロッチェ君だね」
流石自称情報屋なだけあって一時的にイケメン化してるクロマグロのフルネームをきちんと覚えてやがる。スピーカーにしておくの忘れたから、あっちが喋ってる内容が今ひとつ聞き取れないな。ミスったぜ。
『──────?』
「そうそう、実はマリアちゃんの居場所を偶然知る機会があってね……え?」
『────。──、────?』
「い、いや~それはそうだけど、そこからこっちもちゃんと地形や交通量とかを計算して予測ポイントを──えぇ? う、うーん……」
『──────。──────?』
「……脅そうとしたって無意味だよ。こっちも商売柄後ろ盾は──」
なんかよくわからんけどクロロフィルが脅しかけてるようだ。女の子に対してなんてひどい奴なんだ!(※前ページでガチめの脅迫しようとしていた男)
『──? ────?』
「えっ?」
『──────』
「えっ、えっ?」
急に顔に焦りが出てきて、俺を横目で何度もチラチラ見てくる。お前さっきチラチラ見てただろと後で言ってやろう。
『────、──、──、────?』
「う、嘘だねっ。同姓なだけ……」
『──────。──、────?』
「うっ……」
どうも様子がおかしい。クロロフルオルカーボンのヤツ何を言ってんだ? まさかの半額以下に値切ってんのか? いくらなんでも強気すぎだろ。
『────。────』
「わ、わかった。でも貸しだからね」
『────』
「……はい」
落ち込んだ様子で満川がスマホを返してきた。
「おいおい、なんかスゲー意気消沈してんぞコイツ」
『なぁに、吹っかける相手を間違えただけさ。僕は適正価格を教えてあげたんだ』
「どんな魔法使ったんだ? もしかして10万ぐらいにマケさせたのか?」
『10万? 君までバカなことを言うなよ。タダに決まってる』
ほあッ!?
「お、お前実は盗撮したやつばら撒くとかAVみてぇなこと言ったんじゃ……」
『誰がするかそんなこと! 君のこととか色々教えてあげただけさ』
なんだコイツ……イケメンか?
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