二.

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「あぁ―――気にするな。 ここを出たら売って、金にするといい。」 戸惑いの視線を向けるシャラにユーリはあっけらかんと言い、窓枠の上に完全に乗る。 するとまるでそれを見計らったかのように、大量のルーたちがユーリの周りに現れた。 「―――あぁ、忘れてた。」 「……?」 ふと何かに気付いたように、ユーリが再びシャラに視線を向ける。 そしておもむろに懐に手を突っ込むと、そこから取り出した巾着をシャラに投げ渡したのだ。 「その親父の、今日の接待料だ。」 「ちょっ……」 そう言った瞬間、なんとユーリは微笑みながら窓から飛び降りたのだ。 「っ?!」 目の前でおきたことにビクッと震えながら、シャラは慌てて窓に近付く。 するとその暗い闇の中、輝く翼を広げたユーリがぐんぐんと離れて行っている。 その姿はどこか神々しく、なんとも美しいものだった。 .
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