三.

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『ちっ―――おい、捜すんだっ!』 ボロボロになった部屋の中、どこか切羽詰まった声が響き渡る。 しかし顔一面を黒い布で隠しているせいか、こもって若干聞き取りにくい。 にも関わらず、黒い奴らは光―――ルーが消えた瞬間すぐに姿を消していた。 残ったのは、瓦礫に埋まるトウガと――― 「っ……」 寒くもないのに、シャラは着物のあわせを強く引き寄せる。 未だにあの爽やかな匂いが、どこかシャラを安心させていた。 「今の、一体……」 まるで嵐のように過ぎ去っていった。 あの黒い奴らは何なのだろうか。 「世界政府って聞こえたけど……」 先程まで黒い奴らが立っていた位置を凝視しながら、シャラは眉間にしわを寄せる。 トウガを助け出すという考えは、毛頭ないらしい。 「なんでまた、そんな人たちがここに……」 .
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