三.

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世界政府と言えば、全世界を支配する組織。 そんなだいそれた組織が、こんな小さな楼閣にくるなんて――― 「彼を、捜していた……?」 ゆっくりと立ち上がり、自分が今羽織っている着物を見つめる。 ここで無理矢理着させられていた露出の激しい服とは、また違った派手さである。 しかし、彼はこれを違和感なく着こなしていた。 この派手な着物に負けない程の、壮絶なオーラを放っていたのだ。 シェラは再び着物に顔を埋め、ゆっくりと目を閉じる。 「ユーリ・ジャック……」 彼自身が言っていた、彼の名前。 何だかよくわからなかったが、見えない鎖で繋がれていた自分を助けてくれた彼。 そんな彼に思いをはせながら、シャラはゆっくりと目を開ける。 そして躊躇のない足どりで、部屋を横切って行く。 未だ苦しそうにうめき声を上げるトウガなど、もはや眼中になかった。 .
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