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「―――成る程。」
「えっ……?」
詰め寄るシャラの言葉など聞いていないのか、何故か勝手に納得する黒い人物。
これにはシャラも、黒い人物の服を掴んだまま固まってしまう。
「まったく、あいつらしい……」
「あの……」
戸惑うシャラなどもはや興味がないのか、離れようとする黒い人物。
そんな人物を逃がさないように、シャラは服を掴む手に力を入れた。
「あなたは、誰なんですか?
何故、あの人のことを……」
「俺は情報屋―――あいつは客。」
どこか必死なシャラの言葉に、黒い人物は淡々と答える。
「あの、私は……」
「シャラ・レイストン―――面倒な店に売られたみたいだな。」
「っ?!」
とりあえず自己紹介しようとしたシャラの言葉を途中で遮り、驚いたことにその黒い人物はシャラの名前を当てたのだ。
「なっ、何で……?!」
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