6001人が本棚に入れています
本棚に追加
「―――それは、情報を買うということか……?」
「売ってくださるのですか?」
黒い人物の言葉に乗っかるように、シャラは言う。
「ふむ……」
シャラの縋るような視線を受けながら、思案する黒い人物。
「客になるか……」
「お願いです、売って下さい。」
シャラはおもむろに懐に手を突っ込み、そこから巾着を取り出す。
着物と一緒に、彼に貰ったものだ。
中を確認していないためいくら入っているかわからないが、なかなか重い巾着である。
「足りるかどうかわかりませんけど……」
「―――確認させてもらう。」
シャラの手から巾着を受け取り、中を確認する黒い人物。
そんな光景を、シャラは固唾を呑んで見守っていた。
「―――悪いが、足りないな。」
「っ……」
やはり普段から金勘定をしているのか、確認が早い。
.
最初のコメントを投稿しよう!