三.

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「―――それは、情報を買うということか……?」 「売ってくださるのですか?」 黒い人物の言葉に乗っかるように、シャラは言う。 「ふむ……」 シャラの縋るような視線を受けながら、思案する黒い人物。 「客になるか……」 「お願いです、売って下さい。」 シャラはおもむろに懐に手を突っ込み、そこから巾着を取り出す。 着物と一緒に、彼に貰ったものだ。 中を確認していないためいくら入っているかわからないが、なかなか重い巾着である。 「足りるかどうかわかりませんけど……」 「―――確認させてもらう。」 シャラの手から巾着を受け取り、中を確認する黒い人物。 そんな光景を、シャラは固唾を呑んで見守っていた。 「―――悪いが、足りないな。」 「っ……」 やはり普段から金勘定をしているのか、確認が早い。 .
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