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幸助には5つ上の姉がいた。 調度幸助が11歳の時、学校から帰って来るとたまたま姉の部屋のドアが開いている事に気付き、何と無く入った。 本棚を物色していると、カバーの付けられている本に目が行きそれを手に取り、中を開いたのだ。 あの衝撃は今だに忘れない。 開いたページには、男同士が熱く絡み合っていたのだ。 慌てて本を閉じ、元の場所に戻す。 そして、急いで自分の部屋に戻ったのだ。 あの生々しい物を見た後は、流石に落ち込んだ。 夢にまで見て唸された程だった。 そして、あの時見た光景がそのままリアルに目の前にあったのだ。 眩暈と吐き気、立ちくらみを無意識の内に堪えた。  
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