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そんな状態の幸助が気付いた時、目の前に苛立ちを全面に押し出した顔をしている男がいた。 その瞬間、幸助の胸倉をグイッと掴み睨まれる。 幸助より男の身長の方が少し高い為、より迫力が出る。 気付くと幸助は、額にうっすらと汗しながら喉を嚥下させていた。 この状況は明らかに殴られるだろうと焦った瞬間、幸助の予想は的中した。 おもいっきり殴られ、受け身の取れない幸助は軽く飛ばされた。 「うっ!…っ…」 左頬が痛い。 そう思い目を開くと視界がぼやけた。 眼鏡がないのだ。 幸助の視力は悪く、眼鏡を掛けていないと酷く視界が悪いのだ。 慌てて眼鏡を探すと、意外と近くに落ちていたようですぐに見つかり、ホッと胸を撫で下ろし眼鏡を掴んだ。 その瞬間、前髪をグイッと力強く捕まれ無理矢理上を向かされたのだ。  
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