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ボンヤリとだが、先程自分を殴り飛ばした男の様子で、また殴られるのではないかとブルッと身震いした。
「い、たい…」
痛みで顔が歪む。
うっすらと開いている目で相手を伺うが、どうやら何かに驚いたような顔をしている。
「遼。離してやれよ」
そう言いながら近付いて来たのは岡田だ。
岡田は、遼と呼んだ幸助の前髪を掴んでいる男の顎をクイッと上げキスをする。
目の前で繰り広げられる濃厚なキスに幸助は驚き、反応は遅れたが前髪を掴んでいた手が離れていた。
慌てて立ち上がり、眼鏡を素早く掛け、鞄を持ってその場から逃げるように走り去った。
「んっ…ぁ…」
濃厚なキスを終え、名残惜しそうな顔をしているのは、清水 遼(シミズ リョウ)だ。
「なぁ…今の奴、誰」
「まずはスボンを穿け」
遼の質問に苦笑しながら、立ち上がり遼を連れて教室に入って行った。
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