11人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
第一印象は正直、最悪だった。
小学校6年生のときに初めて同じクラスになって、初めてお互いの存在を知った。
あたしより身長は低くて、見た目は女みたいにひょろひょろと弱そうな奴で。
それなのに、初めて口を利くっていうのに馴れ馴れしい口調で。
そんな態度が気に食わなくて、勝手に嫌いだと思い込んでいた。
そんな中、友達付き合いの多さもあって、一緒に遊ぶことが次第に増えていった。
初めは嫌いだ嫌いだと思っていたのに、馴れ馴れしいそいつの性格に振り回されて、距離を取るのを忘れていた。
やがて、お互いに“友達”だと言えるような仲になった。
――いつからだろう?
“友達”で居ることに不満を覚え出したのは。
いや、そんなはずないと、好きでもない奴と付き合って気を紛らわそうともした。
だけど、やっぱり違う。
いつも、何かが足りなかった。
あたしに足りないモノ。
それは、考えなくとも直ぐ傍に在った。
いつの間にか背中ばかり追いかけてた自分が居たのに、そんな自分に気付くのが怖くて、目を反らした。
それでも、想ってしまう。
最初のコメントを投稿しよう!