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「………あれ?」
不意に、視界がぼやけた。
何だろうと思い、瞼を擦ってみると、熱い雫が頬を伝った。
あれ?何でだろ?
あくびしたワケでもないのに…。
自分でもワケが分からなかったが、それでも溢れ出る涙は止まらなかった。
ポロポロと大粒の涙が零れ落ちるのを見て、あぁ、あたし泣いてるんだと。
思ったときには、もう止まらなくなっていた。
目の前が暗くなり、喉が震える。
いつの間にか声を上げながらボロボロ泣いてて、そんな中でも。
握り締めたケータイを放さなかった。
何で、どうして。
「うぅ…っえ……ぅ…っ」
こんなに哀しいんだろう?
どうして、こんなにも涙が溢れてくるのだろう?
何で、どうして。
――どうして、護れなかったんだろう?
何度目かの着信音が響く。
もう聞けなくなるだろうその音に、あたしは鼻をズルズルさせながら手元のケータイを開いた。
『すでに過去形な訳で…w』
『当たり前ぢゃん。そこら辺は割り切っておかないと』
自分自身を落ち着かせるための言葉だった。
その返事は、
『おまえの中では別れる=嫌いになるなのか?wまぁ、どっちでもいいけど』
という納得してくれたのか、そうじゃないのかよく分からない内容。
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