ごめんね

12/19
前へ
/111ページ
次へ
「……ん、ごめん。大丈夫」 「ならいいけどさぁ……何があったの?」 あたしのことを心配してそんなふうに訊いてくる友達に、あたしは声を詰まらせた。 だって、そうでしょ? 元彼にはっきり別れを告げたとたん泣き出すなんて。 そんなこと、友達に言いたくない。 こんなの絶対おかしいもん。 彼氏――ユウにも嫌われちゃうよ。 「マコト?…何かあったんでしょ?早く言ってみんしゃいっ」 「……うん。でも…何か、変なこと言うかも………」 「いいから早ぅ言いなって!友達なんだから何でも話してよ」 ――友達。 「……うん、分かった。話すよ」 友達なんだから。 その言葉にどれだけ励まされたか。 一瞬で心の波が和らぎ、静かになった。 やっぱり、友達ってすごいな。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加