ごめんね

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ふぅ…と息を吐き、喉につっかえていた言葉を吐き出す。 「……さっきね、元彼――ユイに別れるって言ったんだ。メールで」 うん、と電話越しで相槌を打ってくれるのを聞きながら、ゆっくりと話を進める。 「元々、別れてるのと変わんない感じだったから、さ…『あたしたちって、別れてんだよね?』って訊いたんだ。そしたら…まぁ、そうなんじゃね?みたいなのが返ってきて……」 ――どうしてだろう? どうして、あたしたちはこんなことになっているんだろう? ほんの少し前までは、きっぱりと『好きだ』と言えたはずなのに。 今は、その言葉さえ嘘になってしまう。 「……『ぢゃあ、そういうことで。ユイのこと、大好きだったよ』ってメールして…………そしたら…何でだろ?急に涙が出てさ、あれ?あくびもしてないのに…って思ってたら、本格的に泣いちゃって…………」 『…まだ未練があんの?』 「ううん…そういうんじゃない。そういうんじゃなくて……」 そういうんじゃない。 ただ、あたしは。
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