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あたしが四年間片想いした相手は幼馴染みだった。
「そういえばさぁ、真知の好きな人ってどんな人?」
高校に入り、周囲の人間関係というのはだいぶ変わってしまった。
というのも、あたしは地元から離れた高校に入学したため、周りのほとんどが知らない人間だった。
少しして友達が出来始めたものの、皆あたしの地元とはかけ離れた場所に住んでいるのだ。
当然、あたしの地元の知り合いなら知り得ることも、こっちの人間は知らない。
「……何さ、急に?」
「えー?いやだって、真知ってばいっつもその人のことばっか話してるし、どんな人なのかなって」
あたしは教室で向かいに座る友達――ゆりかと、そんな会話を休み時間にしていた。
「うーん、どんなって……そうだなぁ。簡単に言うと……」
「簡単に言うと?」
「変な奴」
「はっ?」
会話、と言っても、あたしの場合まともな会話らしいモノが出来ていたとは言えないが。
消極的なあたしに、ゆりかは不満そうに続けて質問する。
「だからさ、そういうんじゃなくてぇ……ほらっ、もっと具体的にっ!」
「具体的に、ねぇ?」
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