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「そんでも、なんだかんだで四年間も好きで居るんでしょ?ホントに諦められるの?」
ちくんと、小さくトゲが刺さったように胸が痛んだ。
そして、ソレはあたしの中で確信となり、口から溢れる。
「……無理」
「なんじゃそりゃ」
ゆりかが呆れるのも、まぁ無理ないだろうが。
本当にあたしはどうしてしまったんだろう?
いつの間にこんなに好きだと想うようになったんだろう?
もう何ヵ月も会ってないっていうのに。
――会いたいな。
「あーでもホントに気になってきた」
「……え?何が?」
「いや、だからそのナントカって人」
「……けーたん?」
そーそれっ!と言って喜ぶゆりか。
――圭人っていうのがアイツの名前。
みんなは「けーちゃん」とか「ケイ」とか呼んでるケド、あたしは「けーたん」ってふざけて呼んでから、ソレに馴染んでしまった。
最初は嫌がっていたケド、次第にどうでもよくなったのか、最近ではメールでも何も言わなくなった。
今更だけど、コレってけっこう恥ずかしくないかい?
カップルでもこんな呼び方最近しねぇぞ?
とか思っていると――次の瞬間、ゆりかがとてつもない言葉を発した。
「んぢゃ、遊びますか。そのけーたんとやらを呼んで」
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